発熱に苦しむガッツがその小さな存在が本物かどうか見分けられない中、牢の扉が開き、貴族と3人の護衛が入ってくる。立ち上がるよう命じられ検分されたガッツは、傷について尋ねられると男の顔に唾を吐きかけて応じる。貴族が制止するまで護衛たちはガッツを殴打するが、男は傷を悪化させたくないため自ら薬を塗りつつ計画を明かす。翌日に息子の初陣が控え、ガッツはその対戦相手となり死ぬことになっているのだ。貴族は彼を強くさせないよう、食べ物を与えずに立ち去る。
干し草にくるまったガッツがまどろんでいると、小さな生き物が戻り、藁の束で彼の鼻をくすぐり、彼がくしゃみをすると花茎の裏へと逃げ込む。害意がないと安心した生き物は、牢のネズミの鳴き声から名前をとった春の花の精霊「チッチ」として姿を現す。彼女は熱にうなされた夢ではないと主張し、自分の花を狙っていたネズミを彼が食べたことに感謝する。彼を解放することはできないが、葉っぱで水を運び、その力で震える体を温め、矢傷の上に花びらを乗せて一瞬で痛みを消し去る。
ガッツが残りの傷も治してほしいと頼むと、チッチは彼の背中で躊躇し、以前の囚人たちも皆最後には去っていき、彼が回復すればまた同じ孤独を味わうことになるのだと切なげに明かす。自分が弱ったゆえの幻覚だと半信半疑のガッツは、彼女の頬をつまみ、脱出したらここへ来る途中で見かけた同じ花が咲き誇る野原へ連れて行くと約束する。歓喜した彼女はガッツが眠りにつくまで手当てを続ける。目が覚めると熱は引いていたが、花は葉も散って枯れ果てており、言葉のない静かな不在によってガッツは彼女が本物であったと確信する。護衛が扉を開けると、彼は花全体を摘み取って腰帯に差し込み、連れ出されていく。
貴族が息子の初陣の生贄としてガッツを利用すると告げる。花の精霊チッチが姿を現し、一人残される恐怖を打ち明けながらもガッツの傷を癒やす。ガッツは彼女を同じ花が咲く野原へ連れて行くと約束する。怪我が癒えて目覚めたガッツは枯れた花を見つけ、連れ出される際にそれを携えて牢を去る。
チッチは、幼少期のガッツが入れられた牢獄の隅に咲く春の花の小さな精霊であり、ガッツの傷を癒やす一方で、世話をした囚人が去った後に一人取り残されることを恐れている。
ある貴族が、翌日に行われる息子の初決闘の相手としてガッツを死なせるために意図的に捕縛しており、戦いの生贄とする目的で投獄したことを明かすため。
チッチは葉っぱに乗せた水をガッツに運び、自らの力で震える体を温め、矢傷の上に花びらを重ねて痛みを瞬時に消し去るが、その治療の代償として彼女自身の花は咲き終えてしまう。
ガッツは脱出できた際には、チッチが二度と一人きりにならないよう、牢獄へと連行される途中で通りかかったのと同じ花が咲く花畑へ連れて行くと約束している。
ガッツは熱が下がって目を覚ましますが、チッチの花が花弁を失い枯れかけているのを見つけ、決闘のために衛兵に連行される際、その花全体を手に取って持っていきます。
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