
イレイザー・ヘッドはザ・クロウラーを追い詰めるが、“個性”を抹消しても相手の足がほとんど鈍らないことに気づく。一方、ソガは実現することのない停戦を懇願する。二人の論争を上空から見下ろすナンバーシックスは、全員が互いに力を削ぎ合っている様を観察し、街全体の電源を遮断する好機と定める。
イレイザー・ヘッドは航一に追いつくが、航一は喋り続けながら距離を保ち続ける。プロヒーローであるイレイザーは同じ目的のために戦っているはずなのに出動したヒーロー全員に追わせていることを説教し、スカイエッグの件の子供だと揶揄するが、誰かが血を流すまで反省しない奴に説教しても無駄だと認める。航一は脅しを投降の圧力と捉えて逃走する。「滑走(スライド&グライド)」が「抹消」で封じられるものの、彼は体勢を立て直して素でダッシュを開始し、頭上から追うイレイザーを心底驚かせる。通行人たちは追走劇を見上げ、次いで顔のないトレンチコート姿の人影が街頭へ続々と漂い出す光景を目撃する。
堀田兄弟から「抹消」の仕組みを聞いていた航一は、視線を遮るため裏路地へ駆け込む。しかし失敗し、イレイザー・ヘッドに見つかって再び“個性”を消され、航一は自分の昔の見回りルートが思っていたほど秘密ではなかったと気づく。彼はナックルダスターのワイヤーアンカーで応戦して回避し、その後空中へと跳躍する。“個性”に頼った動きから完全な“無個性”の運動への切り替え、そしてどちらの場面でも「抹消」にほとんど動じなかった様子を見て、イレイザー・ヘッドは一筋縄ではいかない相手だと認める。
病院では、塚内直正がチーム韋駄天からヒーローたちが航一の包囲網を狭めているとの報告を受ける。続いてミッドナイトからソガからの電話を取り次がれる。ソガは抜け出したことを謝罪し、航一が脱出した後に交渉するつもりでありヒーローの大部隊が投入されるとは予期していなかったと説明する。ソガは追跡の中止を求め、追いかけっこは無意味であり自分たちは病院の警護のみを望んでおり、その後の処罰は受け入れると伝える。塚内が拒否すると、ソガは田沼栄造なら妥妥点を探るはずだと示唆し、互いに争い合うことこそ真の敵の思うツボだと警告する。
その敵は傍受していた。ナンバーシックスは、本来味方であるべきヒーロー、警察、ヴィジランテが互いに消耗し合っている状況に歓喜する。彼が見るオクロックの幻影は「チームワーク」の教訓を語る。敵対勢力を分断し、自陣営の結束を保てと。一つの区に多数のヒーローが集結した状況は絶好の実験場であり、シックスはそれを実証しようとする。彼が空へ電流を放つと、下に集まる無顔の人形たちの顔に傷痕が浮かび上がり、街全体の電力が停止する。この夜は「ナイトメア・ナイト」、すなわち「鳴羽田ロックダウン」として記憶されることになる。
航一はイレイザー・ヘッドの手を逃れ続け、「抹消」によって「滑走」を奪われるたびに“無個性”の戦術やナックルダスターのワイヤーアンカーへと流暢に切り替え、イレイザーを予想外に感嘆させる。
ソガは塚内に対しヒーローの撤収を再度交渉し、内紛は事件の真の黒幕を利するだけだと主張する。
ナンバーシックスはこの混乱に乗じて鳴羽田を街全体の停電に陥れ、街頭に広がる無顔の人形群を支配していることを顕わにする。
本話は古橋秀之原作、別天荒人作画による『My Hero Academia: Vigilantes』(ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-)の第98話である。全21ページで2021年3月27日に公開され、「鳴羽田ロックダウン編」に属し、単行本第12巻に収録されている。
表紙にはザ・クロウラーとイレイザー・ヘッドが並んで描かれている。
連載時のサブタイトルは単行本収録時に改題されるまで『Irrational』(理不尽)と表記されていた。
ナンバーシックスに助言を与えるオクロックの姿は本物の尾黒嚴ではなく、オール・フォー・ワンによる偽装の一部としての幻影である。
第98話では、イレイザー・ヘッドが灰廻航一に何度も追いつき、彼の「滑空(スライド&グライド)」の個性を消去するものの、航一は「無個性」での動きとナックルダスターのグラップリングフックを駆使して逃げ続ける様子が描かれる。
釘崎爪牙は逃走したことを塚内直正に謝罪し、追跡するヒーローたちの撤収を要請します。ヒーロー対ヴィジランテの対立は、混乱の陰に潜む真の敵を利するだけだと主張したためです。
ナンバーシックスは空に向かって電撃を放ち、地区全体を停電させてのっぺらぼうの群れを解き放つ。作中ではこの事態を「鳴羽田封鎖 ナイトメア・ナイト」と名付けている。
第98話で6号を導いているオー・クロックは本物の尾黒巖ではなく、オール・フォー・ワンの変装によって作られた幻影です。
第98話「意図的説得術」は2021年3月27日に公開された。全21ページで、鳴羽太封鎖編の単行本第12巻に収録されている。
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