壊理の力は生命体の肉体を過去の状態へと巻き戻す。「巻き戻し」は傷を塞ぎ、肉体の改造を元に戻し、さらには誕生以前の瞬間まで巻き戻して存在そのものを消滅させることもできる。この能力は血縁者に前例のない突発変異として現れ、長年にわたり彼女自身もそれが何であるか、どうやって止めるのか理解できていなかった。
「巻き戻し(まきもどし)」と呼ばれるこの能力は、原作第156話およびアニメ第76話で初登場した壊理の近接型発動系“個性”である。生命体の肉体を以前の肉体状態へと逆行させる効果を持ち、発動時には右額の小さな茶色の角が膨らむ。壊理の血筋には類似した能力が存在せず、極めて稀な突然変異“個性”とされる。
発動に伴い角が大きく成長し、眩い光を放つ。その時壊理に触れている者、あるいは間近にいる者は肉体の逆行が始まり、巻き戻しの度合いに応じて傷や肉体変化が修復・解消される。度が進むと対象が存在する以前の時点まで巻き戻され、存在そのものが消去される。この能力を恐ろしいと評した治崎廻は、遺伝子そのものを巻き戻すことができると語った。
感情がこの能力を活発化させる。死穢八斎會強襲作戦のクライマックスにおいて、自分を救うため命を懸けた通形ミリオの姿を思い出して決意を固めた壊理の“個性”が暴走気味に発動し、音本真と融合していた治崎を分離させた。緑谷出久が彼女を庇うことで効果は激しさを増し、出久はその巻き戻しを利用して「フルコール 100%」を維持し続けた。戦闘後も能力の暴走は続いたが、イレイザー・ヘッドが“個性”を抹消したことで治まり、角も元の小さな状態へと戻った。
制限も極めて厳しい。「巻き戻し」は生命体にのみ作用するため、緊急時に「抹消」で停止できるイレイザー・ヘッドに引き取られるまで安全な訓練を行うことは不可能であった。また、直接接触または至近距離にいることが条件となる。物間寧人は、この能力が未知のエネルギーの蓄積に依存していることを確認しており、蓄積がない状態では能力は休眠し角も小さなままで、使用するたびに蓄積が消費される。幼少期の壊理はコントロールどころか理解すらできず、能力の初回発動時には抱きかかえていた実父を消滅させてしまった。
壊理はこの“個性”の唯一の保持者であるが、その生態は他者によって兵器化された。死穢八斎會は彼女の血液や細胞、肉体から「“個性”破壊弾」を作り出し、対象の“個性因子”を巻き戻して無個性化させる薬を精製した(未回収の血清も製造された)。後に殻木球大がこの処方をリバースエンジニアリングして「巻き戻し」本来の効果に近づけ、最終決戦でオール・フォー・ワンに1回限りの投与を行った。これにより彼の致命傷は修復され全盛期の肉体を取り戻したが、最終的には彼自身を消滅させることが避けられないというリスクが伴っていた。
昆虫やトカゲの切断された肢を再生させる訓練を通じて壊理の制御力は向上し、“個性”破壊弾によって失われた通形ミリオの「透過」を取り戻すまでに至った。全面戦争後にはイレイザー・ヘッドの負傷を治すためのエネルギーが不足していたが、出久の最終決戦において彼女は自らの角を切り落として引き渡し、イレイザー・ヘッドが2、3分間巻き戻すことで出久の欠損した腕を再生させた。8年後には角は再び生え揃っているが、角を失ったことで彼女の能力が一時的または永久的に損なわれたかどうかは不明のままである。
オール・フォー・ワンは、壊理の「個性」破壊薬の成分から作られた『巻き戻し』の薬を使用した。これは殻木球大が最終決戦に向けて一回分の投与薬として逆解析・完成させたものであり、彼の致命傷を修復して身体を全盛期の状態に戻すことができたが、最終的に彼自身の存在が消滅することを止める術はなかった。
壊理が自ら緑谷出久に「巻き戻し」を使ったわけではなく、蓄積された「巻き戻し」のエネルギーが宿る自身の角を切り落とし、それをイレイザー・ヘッドに託したためである。イレイザー・ヘッドはその角を用いて出久を2、3分前へと巻き戻し、失われた両腕を再生させた。
「巻き戻し」はエリの“個性”であり、生命体を過去の身体状態へと巻き戻すことができる。傷を塞いだり、身体の改変を取り消したりするだけでなく、対象を生誕前の状態まで巻き戻すことで存在そのものを消滅させることも可能である。
当ウィキでは“個性”を強さで順位付けしていないが、「巻き戻し」の影響力はオール・フォー・ワンの致命傷を治療することから人間を存在ごと消去することにまで及び、治崎廻をして恐ろしいと言わしめ、遺伝子そのものを巻き戻せると主張させた。
壊理が「巻き戻し」を発動すると、右眉の上にある小さな茶色の角が大きく成長して眩しく輝き、効果が終了すると再び短く縮む。
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