三人の呪術師は、攻撃が必中となる海辺の領域、陀艮の「蕩蘊平線」の中に閉じ込められる。七海と真希は、標的に向かって泳ぐのではなく接触した瞬間に実体化する肉食魚の式神に噛みちぎられる。特別一級の直毘人は必中の攻撃をしばらくの間弾き返すが、呪霊の終わりのない群れが三人への敗北を強いていく。行き詰まった状況は、彼らを救い出すために別の領域が乱入したことでようやく打破される。
領域内に閉じ込められた七海と真希は、接触と同時に実体化するピラニアの式神の噛みつきを受ける。直毘人は、御三家に伝わる秘伝であり、対抗する領域を展開する代わりに呪力の爆発で必中の領域攻撃に応戦する「落花の情」を用いる。禪院家当主を真の脅威と見なした陀艮は、力の七割を直毘人に、三割を七海に割り当て、「死累累湧軍」を解き放つ。呪霊が水流の中から直毘人を奇襲し上空へと放り投げると、式神の洪水が直毘人を飲み込んだように見えた。七海も飲み込まれ、真希一人が噛みつかれ押さえつけられた状態で残される。
陀艮は真希をその場にいる中で最も弱いと判断し、彼女を岸の端にある森へと蹴り飛ばす。彼女は生き延び、自分を愚弄するつもりなら一撃で殺してみろと呪霊を挑発し、密かに伏黒に先に辿り着いていればよかったと願う。陀艮が彼女に止めを刺そうとした時、海から液状の影の塔が噴出する。伏黒の「嵌合暗翳庭」である。彼は間欠泉から飛び出し、影を真希に向けて伸ばし、呪具「游雲」を手渡す。感謝しつつ、彼女は彼を生意気なガキと呼ぶ。
この戦いは渋谷事変編の一部であり、渋谷駅地下にある陀艮の領域内で起こる。本章では、陀艮の「蕩蘊平線」と「死累累湧軍」、直毘人の「落花の情」、伏黒の「嵌合暗翳庭」などの術式が披露される。特級呪具「游雲」がここで持ち主を変える。本章はアニメ第38話で翻案された。
第108話では、七海建人、禪院真希、釘崎野薔薇がダゴンの海岸沿いの領域に閉じ込められ、呪霊の攻撃は決して外れず、捕食性の魚の式神たちに引き裂かれてしまう。膠着状態は、伏黒恵が自らの領域で現場に駆けつけ、彼らを救い出すことでようやく打開される。
ダゴンの領域は「魅惑の蘊聚の地平」と呼ばれる、攻撃が決して外れない海岸沿いの拡張領域である。その内部では、ピラニアの式神が対象へ向かって泳ぐのではなく、直接相手の体に具現化するため、攻撃は回避不可能となる。
第108話で釘崎野薔薇は、三大呪術師一族に代々伝わる秘術「落花情」を発動する。それは、防ぎようのない領域の攻撃に対して、逆に反応して一気に呪力を放出するというものである。
伏黒恵は、自身の「寄生獣影庭」をダゴンの領域へ強制的に侵入させ、海中から液状の影の塔となって出現する。彼は追い詰められた禪院真希に向けて影の腕を伸ばし、呪術道具「遊戯雲」を手渡す。
「渋谷事変 第26話」と題された第108話は、渋谷事変編に属し、渋谷駅地下のダゴンの領域を舞台としている。アニメでは第38話で映像化されている。
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