オールマイトは彼が収容されている密閉監房でオール・フォー・ワンと対峙し、囚人はまずその場所の厳重さに感嘆してみせる。背中をかこうと椅子を動かすだけで部屋中のあらゆる兵器が顔に向けられる。脳波とバイタルサインは24時間監視されている。「個性」を発動しようとするだけで首を絞められることになる。悪人を完全に隔離するためにこの施設は存在し、ギリシャ神話の冥府から借りた名前が似合っていると彼は語る。オールマイトは、この特別な地獄からの脱獄も早期釈放もあり得ないと断言する。
再び訪問の理由を正されたオール・フォー・ワンは、グラントリノについての質問で話をそらし、オールマイトがいまだにコスチュームを着ていることを嘲笑して、ヒーロー活動を続けるなど滑稽だと切り捨てる。オールマイトが饒舌さを指摘すると、敵は長いことまともな会話をしていないのだと認める。そこでオールマイトは真の目的を告げる。死柄木弔の居場所が知りたいのだと。オール・フォー・ワンは知らぬとしらを切り、目の前の訪問者とは違って自分はすでにあの少年を独り立ちさせているのだと付け加える。オールマイトはさらに深く問い詰め、道理に反して生かされた肉体、耐忍、長年にわたる利用と操作のすべては何のためだったのかと尋ねる。
絶対に相容れない者同士の間で理解などはじめから望めないため、オール・フォー・ワンにとってその話題は無意味に感じられた。彼の答えはシンプルだった。二人とも同じなのだと。オールマイトが「正義のヒーロー」の理想を追い求めたのに対し、自分は「悪の魔王」の座を目指した。その理想を掲げ体現する力を持ち、それが永遠に自分を突き動かしてくれる限り、どんな犠牲も惜しくなかったのだと。
オールマイトは、目的が永遠の悪であるならなぜ後継者が必要なのかと反論する。その問いは彼を可笑しがらせた。オールマイトは彼からすべて、とりわけその肉体を奪い去り、いまや装着した装置だけが呼吸を維持させている。その喪失によって彼の理想は制限された。終わりが来るとき、人の手で作られた家や食べ物が他の人々に渡されるように、人間はそれを次の誰かへと手渡すのだと彼は言う。自分は皆が行うことをしているだけであり、だからこそ死柄木弔は継承者として育てられたのだと。
警備から残り3分であると告げられるとオール・フォー・ワンはいら立ちを見せ、警備員はオールマイトに対し、囚人はあらゆる外部情報から断絶されているため情報を与えてはならないと警告する。情報を拒まれたオール・フォー・ワンは、代わりに仮説を構築する。引退による不安と、ヒーローの新たな顔となったエンデヴァーの存在により、マスメディアは社会全体に問いを投げかけているはずだ。一方で、ヒーローを最初から受け入れてこなかったアウトローたちはその揺らぎを読み取り、自分たちが世界を作り変えられると信じて組織化するだろう。弔はもうしばらく身を隠しながら連合を作り上げ勢力を広げ、敵(ヴィラン)同士の軋轢も避けられない。もしその構図が当たっているなら、それこそまさに自分が想定していた通りの世界であり、すべては引退と見せかけの嘘から流れてきたものだと言う。彼はオールマイトが残りの人生を無力のまま過ごし、誰も救えず、敵(ヴィラン)の台頭を見届けることになると予言し、どんな気分かと尋ねる。
オールマイトが立ち上がると警備から下がるよう命じられるが、彼はオール・フォー・ワンに図に乗るなと告げる。弔が自分と出久の両方を殺すつもりでいることは分かっている。自分はそのように死ぬつもりはなく、語られたような未来を断じて許しはしない。訪問の理由はそれだけかと問われる中、オールマイトはその暗い未来を何度でも打ち砕くと誓って退出し、敵を朽ち果てるまま残していく。オール・フォー・ワンがその内部で送る残りの人生に思いを巡らせる中、監房の扉が密閉される。
帰り道、塚内直正は何か有益な情報が得られたかと尋ねるが、オールマイトは否と答える。塚内は道のりの長さを口にし、弔は当面の間姿を隠すだろうと推測する。彼がヒーロー殺しステインとの面談に触れようとした矢先、オールマイトの電話に出久からのメッセージが届く。そこには仮免許証の写真と、彼のおかげでまた一歩前進できたという一言が添えられていた。それがオールマイトの心を励まし、車はそのまま走り続ける。
雄英高校の寮「ハイツアライアンス」では、出久がメッセージが届くだろうかと思いを馳せている。クラスメイトたちが授業再開について談笑する中、勝己が彼の脇を通り過ぎ、お前の「個性」について話があるから表へ出ろと告げる。
『僕のヒーローアカデミア』第116話では、オールマイトがタルタロス内でオール・フォー・ワンと対峙し、死柄木弔の居場所を聞き出そうとするものの、ヒーロー社会の未来に関する不気味な予言を聞かされるにとどまります。物語は、爆豪勝己が緑谷出久を呼び出し、彼の『個性』について問い詰める場面で締めくくられます。
第116話で、オールマイトは死柄木弔の居場所を聞き出すためにオール・フォー・ワンのもとを訪れます。しかしオール・フォー・ワンは「知らない」と答え、オールマイトによって自身の身体が破壊されて思い通りに動けなくなったため、後継者として死柄木を育て上げたのだと説明します。
第116話において、オール・フォー・ワンはオールマイトの引退とエンデヴァーのNo.1ヒーロー就任に対する不安が、敵(ヴィラン)たちを組織化させ、より大胆にさせると予測する。そして、悪がはびこる中でオールマイトが何もできずに見守るしかない未来を予言する。
第116話で、緑谷出久はヒーロー仮免許の写真と感謝の手紙をオールマイトに送ります。このメッセージは、オールマイトがオール・フォー・ワンの尋問からの帰り道に届きます。
『タルタロスにて』と題された『僕のヒーローアカデミア』第116話は、堀越耕平によって執筆され、2016年11月21日に掲載されました。
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