
『僕のヒーローアカデミア』第254話では、タルタロスが二人のヒーローに対して覚悟を促していた事実が裏付けられる。黒霧は白雲朧の遺体をベースに造られた脳無だったのだ。親友の中に残るわずかな面影に語りかけるよう求められた相澤消太は、迷い猫、ゴーグル、そして乗り越えられなかったすべての迷いについて語り始める。
消太は、ひざしや朧とともに過ごした雄英時代のことを思い返す。朧は3人でインターンに参加していた際、将来一緒に事務所を立ち上げようと提案した直後、倒壊する建物の下敷きとなって命を落としたのだった。
直正は、黒霧が白雲朧の身体をベースに造られた脳無である可能性があると明かす。A組の「アホトリオ」と呼ばれていた頃を覚えているひざしは、その事実を受け入れられない。グラントリノは、優れた「個性」は雄英に集まるというオール・フォー・ワンの発言を思い出し、火葬の前に朧の遺体がすり替えられ改造されたのだと推測する。それ以上の意味を探るのは無駄であり、その企みの裏には邪悪以外の何物もないのだと彼は語る。
「個性」を使おうとした黒霧は鎮静剤を投与される。消太は絆に賭けるなど甘い考えだと忠告するが、グラントリノは十分に強い絆の土台があれば奇跡を起こせると反論する。エンデヴァーとフードとの戦いに関する報告書には、強い相手に執着する独自の意志を持った脳無の存在が記されており、その素体DNAは地下格闘家のものであった。消太は、USJ(ウソの災害や事故からの救助訓練施設)で遭遇した黒霧とは話し方も異なり何の認識も示さなかったのに、なぜフードはその人格を保っていたのかと追及する。直正は記憶の改変や消去を示唆し、かつての生活へのわずかな愛着を呼び覚ましてほしいと二人に頼む。二人が失敗した場合にのみ家族に連絡がつくと知らされた消太は、「抹消」を発動し、朧の両親にそんな話を聞かせるわけにはいかないと宣言する。
黒霧が目を覚まし、USJ事件以来消太を見ていないと口にする。消太の視線を受けても霧は消えず、身体そのものが霧でできていることを示している。黒霧は白雲説を否定し、弔が無事かどうかを尋ね、自分のお役目は彼を見守ることだと語る。ひざしはそんな仕事は愚かだと激昂するが、消太の表情を見て言葉を呑む。黒霧は、自分は放っておけない性分だからその役目が苦になったことはないと答える。
消太は、自分が通り過ぎようとした迷い猫を朧が迷わず抱き上げたことを思い出す。自分はいつもためらい、物事を中途半端にしてばかりで、そんな自分を朧がいつも引っ張り、敵(ヴィラン)に立ち向かえるようゴーグルを貸してくれたのだと消太は語り続ける。黒霧は、彼が牢獄を告解室と勘違いしているのではないかと皮肉る。
消太は今、教師をしており、それも厳しい指導を行っていると話す。グラントリノは除籍率の高さを指摘し、ひざしは報告されている以上に苛烈だとほのめかす。2年A組では、生徒たちが去り際の消太の表情について議論しており、自分たちが除籍された日のようだと言う者もいれば、今も根に持っている者、それを成長の糧と感謝している者もいる。実は消太は、自己犠牲と命を捨てることは別物であり、一度死を体感させることが生徒を高みへ押し上げるとの考えから、根津校長に除籍と復籍の権限を求めていたのだ。根津はそれを承諾していた。
牢獄に戻り、消太は朧のような奴こそヒーローになり、人々を引っ張り、長生きすべきだったのだと叫ぶ。彼はゴーグルを掲げ、涙を流しながら、朧の欠片が少しでも残っているなら、3人でもう一度あの夢を追いかけようと訴えかける。その言葉が届き始める。
黒霧が白雲朧の身体から造られた脳無であることが確認される。弔を見守るという黒霧の執着の中に、かつての熱い忠誠心を見出した消太は、確信を深める。
オールマイトが消太に除籍されたと報告していた学級は、雄英に復籍していたことが判明する。消太は自己犠牲と無謀の区別がつかない生徒を除籍し、その試練によって成長させるために、根津校長に自らその権限を要請していたのだった。物語は、消太の訴えが黒霧に影響を与え始めるところで終わる。
『僕のヒーローアカデミア』第254話では、塚内直正とグラントリノが黒霧の正体は白雲朧の遺体を元に造られた脳無であることを確認し、相澤消太はその内部に残る旧友の面影へ語りかけようと試みます。
白雲朧は相澤消太とプレゼント・マイクの雄英高校時代の同級生であり親友でした。3人で一緒にヒーロー事務所を立ち上げる前に、合同インターン中に建物の崩落事故で亡くなりました。
第254話にて、相澤消太が根津校長に生徒の除籍および復籍の権限を要求していたことが判明する。無謀な自己犠牲を称賛されるよりも、一度「死」の現実を体験させることこそが、生徒の成長を促すと考えたためである。
第254話において、黒霧は当初自身が白雲朧であることを否定し、自らの唯一の役割は死柄木弔を見守ることだと主張する。しかし、助けた子猫やゴーグルといった過去の思い出に関する相澤消太の語りが、話の終盤に向けて彼の心に影響を与え始める。
第254話は「超常解放戦線編」の一部であり、『僕のヒーローアカデミア』の単行本第26巻に収録されている。また、アニメでは第107話として映像化された。
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